NICO-1には、2つの使用方法があります。別々にStand Aloneの状態で培養し、その後結合(接続)し共培養を行う方法(A法)と最初から培養容器を結合(接続)し、液面の高さを調節することにより共培養を行う場合(B法)があります。
(左図をクリックすると別タブにて拡大表示します)
英語版ですが、下記で動画にて参照できます。英語版は、NICO-1ではなく、ICCPです。
A法:メリットは、別々の環境(条件)で培養できることです。任意の時点で、一旦培養液を吸引し、組み立ててから、再度培養液を追加し、共培養状態にすることができます。
例えば、本体Aは、通常酸素濃度、本体Bは低酸素状態で培養を行い、ある時点で共培養に移行するといった使い方ができます。
B法:最初に最終形まで組み立てておいて、培養液量をコントロールすることにより、共培養状態に簡単に移行することができます。培養液を追加するだけなので、細胞に与えるダメージは、少ない方法です。共培養の有無のみが異なる目的での実験に向いています。
具体的な方法について
A法:Stand Aloneから共培養状態の最終形へ組み立てる
1:本体A,本体Bの側面に共通蓋をはめ込みます。(共通蓋には、本体Aと本体Bにそれぞれ合う面があります。陥凹の合う面をご使用ください)
2:細胞を播種する。細胞培養液は1500μl~2200μl程度とする。フィルターを使用している場合は、フィルターの全面が培養溶液で覆われるまで、目視しながら培養溶液を入れてください。量が多いと、上面のカバーと接触するため、カバーに接触しない量にしてください。カバーに培養溶液が接触すると、表面張力により、カバーと培養容器の間から培養溶液が漏れ出す可能性があります。また、細胞数は、実験及び細胞種により、適宜判断してください。
3:共培養を行う段階になったところで、培養溶液を600μl以下にするか、培養溶液をすべて吸引して、それぞれの共通蓋を外してください。
4a:フィルターを使わない場合 O-ringを本体A側側面陥凹部にピンセットを用いてはめ込んでください。
4b:フィルターを使う場合 (フィルターの使用方法については、それぞれのフィルターのマニュアルに従ってください)。
ここでは、NICO filter 0.6を例に記載します。
フィルターを70%アルコールに浸したのち、PBSあるいは細胞培養溶液で洗い流し、アルコールを除去してください。濡れた状態のまま、本体Aの陥凹面にフィルターをセットしてください。次にO-ringを本体A側側面陥凹部にピンセットを用いてはめ込んでください。
5:次にクリーンベンチの水平な面に置いてから、本体Aと本体Bを水平に結合させてください。このときに水平面で結合させないと結合が正しい状態にならないので注意してください。結合体ABを、アダプターに対して上から嵌め込み、正しい位置にセットされていることを確認してください。アダプターは、本体Aと本体Bが正しく強固に結合させる役割を持っています。アダプターは必ず使用してください。
6:培養溶液を追加して、細胞培養溶液が共有される状態にします。
7:本体から培養液の液漏れがないことを確認して、CO2インキュベーター内で共培養します。
注意)本体AとBの結合が正しく行われないと、液漏れする可能性があります。倒立型顕微鏡での観察前には、必ず液漏れがないことを確認してから観察してください。
B法:最初から最終形まで組み立てて、液面をコントロールして共培養を行う。
1a: フィルターを使わない場合 O-ringを本体A側側面陥凹部にピンセットを用いてはめ込んでください。
1b:フィルターを使う場合 (フィルターの使用方法については、それぞれのフィルターのマニュアルに従ってください)。ここでは、NICO filter 0.6を例に記載します。
フィルターを70%アルコールに浸したのち、PBSあるいは細胞培養溶液で洗い流し、アルコールを除去してください。濡れた状態のまま、本体Aの陥凹面にフィルターをセットしてください。次にO-ringを本体A側側面陥凹部にピンセットを用いてはめ込んでください。
2:次にクリーンベンチ等の水平な面に置いてから、本体Aと本体Bを水平に結合させてください。このときに水平面で結合させないと結合が正しい状態にならないので注意してください。結合体ABを、アダプターに対して上から嵌め込み、正しい位置にセットされていることを確認してください。アダプターは、本体Aと本体Bが正しく強固に結合させる役割を持っています。アダプターは必ず使用してください。
3:細胞を播種する。共培養を最初から行わない場合は、培養溶液をそれぞれ600μl以下にして、本体Aと本体Bの細胞で培養液が共有しない状態にしてください。共培養する段階になったら、培養溶液を増やすことにより共培養を行ないます。
共培養のための細胞培養液は、それぞれの容器で1500μl~2200μl程度です。共培養する段階では、培養溶液を追加して、細胞培養溶液が共有される状態にしてください。フィルターを使用している場合は、フィルターの全面が培養溶液で覆われるまで、目視しながら培養溶液を入れてください。量が多いと、上面のカバーと接触するため、カバーに接触しない量にしてください。カバーに培養溶液が接触すると、表面張力により、カバーと培養容器の間から培養溶液が漏れ出す可能性があります。また、細胞数は、実験及び細胞種により、適宜判断してください。
4:本体から培養液の液漏れがないことを確認してから、CO2インキュベーター内で共培養を継続します。
注意)本体AとBの結合が正しく行われないと、液漏れする可能性があります。
顕微鏡での観察前には、必ず液漏れがないことを確認してから観察してください。
培養液量が少ないと、共培養されません。詳細は、トラブルシューティング 培養液量についてをご参照ください。