NICO-1を使った解析データについて、ISEV2019(京都)で2019で発表しました。エクソソームの表面マーカーが、エクソソーム産生量との関係で変動するというデータです。NICO-1自体は、発表の中でエクソソームの位置の違いを解析するために使用しています。エクソソーム(細胞外小胞)の表面マーカーとも言われているCD63をGFPでラベルした細胞を作り、それを利用して細胞内でのエクソソームの位置を確認しています。1つの容器で細胞を観察した場合、産生したエクソソーム以外に、隣の細胞から取り込んだエクソソームも光っているため、実際は、産生したエクソソームと取り込んだエクソソームの両方を見ています。なので単純に産生したエクソソームだけを定量的に評価することができません。全体としては産生したエクソソームを反映しますが、取り込みの要因も影響してきます。そこで、一方の容器側の細胞のみCD63-GFP細胞を撒いて、もう一方は通常の細胞を撒きます。そうすると、通常の細胞側で光っているエクソソームは、間違いなく取り込んだエクソソームになります。1つの容器での評価では、産生と取り込みの両方の因子が影響していますが、このような方法では、少なくともエクソソームの取り込みに関して正しく評価が可能です。取り込んだエクソソームの細胞内での位置や、産生したエクソソームとのFusionなどについて検討が可能になりました。NICO-1は、自分の研究のために開発を継続していますが、最近、細菌培養での共培養に使いたいというご要望がちらほらと。そのため、細菌培養のためのオプション的機能についても検討中です。